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知財戦略の教科書 工夫と知識はお金に換えられる!(佐原雅史) [読書感想文]

今日は読書感想文書きたいと思います。

今回読んだ本の内容は、気になった部分を簡単に要約すると、
新しい商品を開発する時には特許を取得し、参入障壁を構築することが重要だということ。


よく、1番手は売れなかったのに、後追いの2番手は売れたなどの話を聞きますね。
ビジネスはタイミングが大事だと言われていますが、それは同時に他社の商品を真似ることの大事さも示しています。

仮に良い商品を作っても、大企業に真似されてしまっては価格競争やマーケティングで勝つことが難しくなるため、真似されないようにしよう!というのが特許です。

ただし、特許を取らない方が良い例もあるそうです。

例えば、コカコーラやケンタッキーフライドチキン。

特許を取ると、たしかに一時的に商品を守ることができます。
しかし、特許取得から1年6ヶ月後には特許明細書が公開されてしまうため、うまくそこをかいくぐりながら似たような製品が開発されてしまう可能性があります。

そこで、商品を守るためにあえて特許を取らないという選択肢もあります。

コカコーラやケンタッキーフライドチキンは商品を見たり、食べただけでは作り方がわかりません。
ですから、特許を取らなくても真似されにくいのです。


新しいアイデアを守るという発想で書かれた本でしたが、これからは大企業の数が減り、中小企業やフリーランスなどが増えると予想されているため、新しいアイデアをシェアするということも必要になってくるのかなーと、個人的には思いました。
自分自身に付加価値をつけるということはますます重要性を増すでしょう。

エンジニアが30歳までに身につけておくべきこと(椎木一夫) [読書感想文]

今回は本を読んで気になった箇所を何箇所かピックアップして、感想文を書いてみようと思う。


著者は日本経済の衰退を単純かつ明快に述べている。



『 日本が急成長を遂げた20世紀の工業化社会は、大量生産によって成り立っていた。
(中略)
 ところで大量生産を可能にする最も重要な要因は何か。生産量に見合った需要があること、すなわち大量消費である。今の日本のように、物があふれているけれども、とくに欲しい物がないという成熟社会では、大量消費を望むことは難しくなった。
 さらに日本の賃金水準が高くなり、(中略)、それほど高い能力を必要としない仕事に、日本で大卒一名を雇う金を使えば、賃金水準が日本に比べて低い中国では、何人もの人が雇えることになる。
 こうして日本では、製品を安く作れなくなった。従来の大量生産・大量消費路線を続けるなら、中国やインドなどの未成熟社会への輸出に力を入れることになるだろう。しかし、ただ安く作ることだけが重要ならば、日本は中国、インド、東南アジアなどの人件費の安い国に負けてしまう。同じ土俵で勝負しては、日本は中国に勝てない。
 このように、日本で作る物が高くて売れなくなったから景気がわるくなった。考えてみると、大きな要因というのは案外、シンプルな理屈なのだ。』



大量生産、大量消費の時代は終わりを遂げた。 
その役目は中国、インドなどの労働力の安い国に取って代わられたということだ。

その上で著者は今後の日本製品に期待することを以下のようにまとめている。



『企業が生き残るためには、労働集約型の製品ではなく、技術集約型の製品に力を入れざるを得ない。』



革新的、真新しさ、技術の飛躍的な進歩などがキーワードとなるだろう。

このような製品を開発する上で、不可欠な能力としてセレンディピティーという概念を挙げている。



 『 科学の世界では、セレンディピティー(serendipity)という言葉がよく使われる。これは「珍しい宝を偶然発見する能力」のことで、研究者が大発見したときに「寝ているときの夢で……」とか「ある女性が着ていた模様を見て、瞬時に氷解した」などのエピソードが紹介される。「積み重ねの結論」というよりも、傍から見ていると「偶然的なヒント、アイデアによって解決」されたように思える場合である。
(中略)
 いま起きている現象を頭の中で整理し、よく考え、自分なりの仮説を立てる。これがセレンディピティー修得の第一歩だ。』



ひらめきと言い換えることができるかもしれない。
そして、このひらめきは鍛錬によって鍛えることができるとしている。

そして、エンジニアとして成長していく上で、専門分野一つに特化するのではなく、いろいろな専門性を身につける必要があると言う。


横軸を専門分野、縦軸を能力とした時、
①I型: 一つの専門分野に特化するのではなく、
②T型: 周辺知識も修得する必要がある。さらに、専門分野を複数身につけて、
③π型: 複数の専門分野、さらにその周辺知識を身につけ、多角的な視点を獲得する必要があるとしている。

これは、カリヨンツリー型のキャリア形成の考え方に類似している。
詳しくは『WORK SHIFT(リンダ グラットン著)』を参考にしてほしい。これからの時代を生き抜くキャリア形成の示唆に富んだ名著だ。


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